一般的に売られていものと美容室で使っているものとありますが、基本的な原理はどちらも一緒です。
1剤と2剤を混ぜ合わせることによって酸化重合反応が起きて、髪の毛をブリーチ(脱色)しながら、色素を定着させていきます。
この酸化重合反応がアルカリカラー剤の最も特徴的な要素で、他には類を見ません。
実際のアルカリカラーで髪の毛が染まる原理を説明されてもピンとこないと思います。
化学式など見てもさっぱりわからないというのが本当のところです。
ただイメージ的に重要なことは、1剤と2剤が混ざりあい反応することによって髪の毛が染まるということです。
他には、どのような特徴があるのでしょうか?
髪の毛を明るくできるが、限界がある
単純に脱色(ここでの意味は髪の毛のメラニン色素を分解して明るくすること)して、髪を明るくするブリーチと違い、アルカリカラーには明るさのレベルが定められています。(下図)
髪質によっても明るくなる度合いは異なりますが、一般的に一番明るいレベルは14ぐらいまでとなります。
実際はそこに薄く色素が入るので、色味によっては少し暗く感じることもあります。
最近では、イルミナカラーやアプリエカラーなど、もう少し脱色作用を強くして色素を深く入れるカラー剤もありますが、それでも15レベルぐらいが限界となります。
ちなみに、ブリーチは回数を重ねるごとに明るくできるので、ギリギリ20レベル(ほとんど白色)まで明るくすることができますが、髪はボロボロになってしまいます。
アルカリカラーの場合、ブリーチ作用をあまり高くし過ぎるとアルカリ剤の割合も多くなってしまいます。
するとアッシュやマット、ピンクといった色素を定着させることができなくなってしまい、アルカリカラーの特徴である色味を出すことができません。
なので、アルカリカラーには明るさの限界があるのです。
髪へのダメージはどのくらいあるのか?
どのくらいダメージが出るかは、求める明るさのレベルによっても大きく異なります。
暗ければ全くダメージが無いのかと言われれば、そんなこともありません。
6レベルにする場合でも14レベルにする場合でも、染まる仕組みは上で説明した酸化重合反応が基本となるので、6レベルなどの暗い場合でも少なからずダメージは出ます。
ただ他のカラー剤と比べたときには、ブリーチの次ぐらいにダメージは大きくなるので、ダメージは出やすい部類に入ります。
ダメージの大きい方から順位をつけるなら、
- ブリーチ
- アルカリカラー
- 酸性カラー(ヘアマニュキュア)
- トリートメントカラー
- ヘナカラー・香草カラー
- 100%自然由来のヘナカラー
となります。
ブリーチよりダメージはありませんが、ほかの代表的なカラーリング方法と比べると、どうしてもダメージは大きくなってしまいます。
色持ちは良いのか?
色持ちも一概には言えませんが、酸性カラー(ヘアマニュキュア)やトリートメントカラーよりは持ちがいいとされています。
酸性カラーやトリートメントカラーが髪の表面部分にコーティングされて色素を付けるのに対し、アルカリカラーはその効果によりキューティクルと開かせて、その内部に色素を定着させます。
アフターケアによって色持ちを長くすることもできるので、正しい方法でメンテナンスできれば退色(シャンプーやトリートメントの成分、パーマの薬剤、ドライヤーやヘアアイロンの熱、紫外線や空気中の有害物質によって色素が薄くなったり、落ちてしまうこと)を防ぐことができます。
色味や明るさにもよりますが、最大でも2ヶ月たつと完全に退色してしまいます。