頭皮や髪がベタついてしまいます。

毎日シャンプーをしっかりとしているのに頭皮がベタついてしまうことはありませんか?

もちろんスタイリング剤のワックスやスプレーなどが原因でなってしまうこともありますが、単純に汚れのせいだけとは言えません。

もしかすると、使っているシャンプーが原因で頭皮や髪がベタついてしまっている可能性があるのです。

 

最近のシャンプー剤の傾向

ノンシリコンシャンプーの登場により、どんどんシャンプーは洗浄力が優しくなっています。

ノンシリコンシャンプーが発売されたばかりの頃は、単純にシリコンの使用を止めたものが多く、洗浄力はそのままでシリコンだけを取り除いた物が目立ちました。

それによって、強い洗浄力のせいで髪がキシんでしまい、絡まりやすくなったという声が多くありました。

今までのシャンプーは、原価の安いラウリル硫酸ナトリウムやラウレス硫酸ナトリウムといった比較的、洗浄剤の中でも洗浄力の強いものが多く使われていました。

メーカーは宣伝広告費にお金を使い、原価率を下げたかったのでこういう方針を取ったのは仕方のないことかもしれません。

しかしそれはユーザーにとって良い結果をもたらしませんでした。

 

洗浄力が強いせいで髪がパサつき、頭皮に必要な油分も取ってしまいます。

特に冬場などを乾燥する時には頭皮が乾燥して、かゆみや炎症が起こる場合もありました。

髪にダメージがあるのにどんどんとキューティクルを傷つけてしまい、セットになっているコンディショナーやトリートメントで無理やりコーティングをして、手触りを良くすると言う方法がとられていたのです。

たとえシャンプーに含まれるシリコンを取り除いても、コンディショナーやトリートメントに含ませることでなんとかツヤ感や手触りのバランスをとっていたのです。

確かに頭皮に直接触れるシャンプーなどにシリコンを含ませずに、中間から毛先にだけつけるトリートメントにシリコンを含ませることは悪いことではありません。

頭皮にとってはシリコンがつくことがないので良いことのように思います。

しかし髪の毛にとっては無理やり汚れや油分を取ってしまっているので、キューティクルへのダメージは大きくなってしまいます。

シリコン自体は人体にとって悪いものではありませんが、髪の毛にとっては長い目で見た時に悪影響を及ぼします。

特に髪の毛にシリコン剤が蓄積していってしまうと、質感が重くなったりそのシリコンを落とす時にキューティクルを一緒に剥がしてしまうこともあるのです。

さらに油分をしっかり取った髪の毛には、こういったシリコン剤は吸着しやすくなります。

 

その後に登場したのが、今多く販売されているシャンプーに多く見られるラウリル硫酸ナトリウムやラウレス硫酸ナトリウムといった洗浄力の強いものではなく、ベタイン系などの比較的、洗浄力の弱い洗浄剤を使ったシャンプーです。

洗浄力が弱いということは、頭皮や髪に必要な水分や油分を適度に残してくれるという効果があります。

ベタイン系の洗浄剤には、それ自体にも保湿の効果があります。

 

特にカラーリングやパーマなどでダメージのある髪の毛にとっては、良い効果をもたらします。

軽いダメージであれば、シャンプーだけでも艶を良くし、手触りも改善してくれるでしょう。

 

しかし逆を言えば、カラーリングやパーマをしていない髪の毛や、脂性の人にとっては洗浄力が足りません。

こういった洗浄力の弱いシャンプーを使い、トリートメントは別のメーカーのコーティング力の強いものを使っているとさらに髪がベタついてしまいます。

基本的にはシャンプーとトリートメントは同じメーカーのものを使った方が良いでしょう。

 

確かにダメージヘア用と書いてあった方が効果が高いような気がして、ほとんど髪にダメージがない人でも使ってみたくなるものです。

ただ、ダメージがなく水分や油分が十分に髪の毛にある場合は、そういったコーティング力の強いシャンプーやトリートメントを使うことで質感が重くなってしまうのです。

 

シャンプーとトリートメントの理想の関係

では頭皮がベタついてしまう場合にはどういったシャンプーやトリートメントを使えば良いのでしょうか?

まずは自分の頭皮や髪の状態を知ることが必要です。

人によって頭皮や髪のべたつきを感じる度合いというのは違うかもしれませんが、少なからず汚れが落ちきれていなかったり、頭皮や髪の匂いがいつも気になるという人はいると思います。

洗っても洗ってもなんだかすっきりしない感じがして、毎日シャンプーしなくては気が済まない、綺麗になった気がしない。

確かに頭皮の毛穴に汚れが詰まったままでは、細菌が繁殖しやすくなり臭いの原因になりますし、髪がベタつく原因になります。

それは頭皮にとってもストレスになり、抜け毛白髪の原因になるとも言われています。

まず第一前提として頭皮、特に毛穴は綺麗に清潔にしていなければいけません。

洗浄力の弱いベタイン系などのシャンプーを使う場合には、しっかりとお湯で予洗い(シャワーのお湯だけで約2分間すすぎ洗いをすること)して、それからシャンプー剤をつけて洗うと良いでしょう。

しかしそれでもベタつきが取れない場合には、シャンプーの洗浄力を強いものに変える必要があります。

先ほども言ったように、人によって髪の毛の質感の感じ方は違います。

しかしドライヤーをいくらかけても根本のほうが乾きにくかったり、 いつまでも毛先の方が湿っている感じがする場合には注意が必要でしょう。

シリコンなどのコンディショニング剤が、頭皮や髪に残っている可能性があるからです。

いくら頭皮や髪に優しいというベタイン系の洗浄剤でも、汚れが落としきれていなかったら意味がありません。

逆に洗浄力が強いと言われるシャンプーであっても、毛穴の汚れをしっかりと洗うためには最適です。

頭皮や髪に残っているシリコン剤や油分を、一度綺麗にスッキリ取ってあげることはとても良いことです。

ずっと洗浄力の弱いシャンプーを使い続け、トリートメントはコーティング力の強いものを使っていては、いつまでたってもベタつきは取れません。

それどころかどんどんと髪が重くなっていってしますし、頭皮や髪が乾きにくくなることによって細菌が繁殖して臭いの原因にもなります。

石油由来の強い香料を使っているシャンプーやトリートメントもあり、ある程度ニオイなどもごまかしがききますが、本当の意味で臭いの原因が取り除けているわけではありません。

ちゃんと頭皮の汚れを取って、しっかりと乾かして水分を完全に飛ばしておかないと細菌がどんどん繁殖してしまいます。

もし、どうしてもラウリル硫酸ナトリウムやラウレス硫酸ナトリウムといった、化学的に不安要素のある洗浄剤を使いたくない場合には、石鹸系の洗浄剤を使ったシャンプーもおすすめです。

石鹸系の洗浄剤は、洗浄成分のなかでも一番安全性が高いと言われています。

しっかりと汚れを落としてくれるのに、人体にとっては悪影響がほとんどありません。

 

もう一度それぞれの役割を考えてみる

シャンプーの役割

シャンプーの本来の役割は頭皮や毛穴、髪の毛の余計な油分、スタイリング剤やほこりなどの汚れの除去です。

シャンプー自体にダメージ修復作用や手触りを良くする効果をもとめてしまうと、余計な成分が洗浄作用の邪魔をしてしまいます。

シャンプーには頭皮や髪の毛に付着した不要な物質を、完全に除去する責任があります。

シャンプーはしっかりと汚れを洗い落とす力さえあれば、他には何もいらないのです。

 

しかし、現実の問題として市販されているシャンプーに香りが全くなかったり、洗った後にきしんでしまってはなかなか買ってもらえません。

美容室などできちんとこういった理由を聞いたうえで、納得して買って使用するのであれば問題ありませんが、ドラッグストアなどでパッケージの説明やデザインのイメージ、CMのイメージ広告だけで数あるシャンプー剤の中から選ぶためには本来の役割以外の付加価値が必要になってきます。

いつの間にか、付加価値の方がメインになってしまい、本来の役割が弱くなってしまいました。

もう一度、シャンプーの本来の役割を理解することで、清潔で健康的な状態の頭皮や髪の毛に戻っていくと思います。

 

トリートメントの役割

トリートメントの役割は髪の毛の修復(疑似的な)です。

修復といっても髪の毛自体が再生して元通りになるわけではありません。

髪の毛の欠損した部分に人工的な間充物質などを吸着させてハリやコシを出したり、PHを弱酸性にしてキューティクルを収斂させたり、表面にコーディングをして手触りを良くしたりします。

これらの効果は一時的なものです。

ほとんどの場合、何度かシャンプーしている内に落ちてきます。

 

疑似的な修復であったり、一時的な効果ではありますが、髪の毛に必要ないわけではありません。

 

髪の毛は一度ダメージが出てしまうと、二度ともとには戻りません。

最近はこういった認識が一般的にもなされていますから、むやみやたらにカラーリングをしたり、パーマをかけるようなことは無くなってきました。

 

しかし、どうしても日常の普通の生活のなかでもドライヤーをかけたり、コテで巻いたり、絡んだ髪の毛を無理やりとかしたりと、ダメージは蓄積していきます。

ダメージのある髪の毛をそのままにしておくと、どんどん絡みやすくなり摩擦によってダメージが大きくなってしまいます。

そうならないように、疑似的にであれコーディングを施し、指通りをなめらかにすることで摩擦によるダメージを減らすことは間違いではありません。

髪の毛の収まりもよくなり、余計なボリュームも抑えてくれます。

 

ただし、頭皮や髪の毛の根元の方には、トリートメントをつけてはいけません。

 

せっかくシャンプーをしてキレイになった毛穴に、余計な成分をつけてしまっては元も子もないからです。

 

まとめ

頭皮や髪の毛がベタついてしまうのは、油分や汚れなどが過剰に吸着してしまっていることが原因です。

シャンプーとトリートメントの関係はクレンジングとメイクの関係に似ています。

トリートメントで髪の毛をコーディングしてあげれば、ハリやコシが出て見た目もキレイになります。

しかし、シャンプーでしっかりと洗い流してあげないと、余計な成分が蓄積していってどんどん重い質感になってしまいます。

トリートメントの効果は、次にシャンプーするまでの一時的なものであることを忘れずに、シャンプーで毎回しっかりと洗い落とすことが肝心です。

そして、また髪の毛の中間から毛先につけることを意識して、頭皮や根元には絶対にトリートメントをつけないようにしてください。