白髪染めしたのに2週間もしないうちに、また白髪が目立ってきてしまう・・・。
ちゃんと白髪染めって書いてあるカラー剤で染めたのにどうして?
こういった声は、めずらしくありません。
原因は大きく分けると5つあります。
1つ目は染める前の髪の毛の状態。
2つ目は使うカラー剤の明るさ。
3つ目はカラー剤の量・放置時間・温度。
4つ目は使っているシャンプーやトリートメント。
5つ目はその後のケア。
これらの条件がそろわなかったときに、本来の色持ちよりも悪くなってしまいます。
白髪染めの色落ちを防ぐ5つの方法
1 髪の状態を整える
何日も髪を洗っていなかったり、整髪料や一時的に白髪を隠すための染料がついている場合は、しっかりとシャンプーした直後に乾かして染めた方が良く染まります。
しかし、地肌がしみやすい人や炎症を起こしやすい人は、あまりしっかり皮脂を取りすぎてしまうと、頭皮への刺激が強くなりすぎてしまいます。
多少の汚れや皮脂が残っていたとしても染まり具合には影響はありませんが、皮脂の分泌の多い人やスタイリング剤を使う人、さらにはコーティング作用の強いシャンプーやトリートメントを使っている場合には染まりにくくなる場合があります。
もし、そういったカラー剤の浸透を妨げてしまう不純物が髪の毛に付着している場合には、洗浄力の強いシャンプーでしっかりと洗い、トリートメントは付けずに、およそ6時間経ってから白髪染めをすることをオススメします。
個人差はありますが、人間の頭皮はシャンプーでしっかりと洗ったとしても、およそ6時間でもとの油分量に戻ります。
自分の皮脂で最低限の頭皮の保護はできますが、どうしても心配な場合はカラーリング専用の頭皮保護クリームを使うとかなり刺激を軽減できます。
これもあまりつけすぎてしまうと染まりにくくなってしまいますが、適量であれば顔周りの皮膚の保護にもなり一石二鳥です。
頭皮がいつもより乾燥しているときにも使うと効果的です。
もしくは、頭皮を保護するジェルの仕様をオススメします。
頭皮全体に薄く塗ることで、カラー剤の刺激から頭皮を守ってくれます。
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2 白髪染めの明るさ
一言に『白髪染め用のカラー剤』といっても、いろいろなものがあります。
チョコレートブラウンやハニーブラウンといった色味に特徴を持たせたものや、1~5などの数字で明るさを表したものなどがあり、どれにするか選ぶにも迷ってしまいます。
さらには、色味の表現方法はメーカーによっても自由ですし、明るさを表現するレベルも日本カラーリング協会が定めるレベルスケールとは数字の表し方が逆になっているものもあります。
出典:JAPAN HAIR COLOR ASSOCIASION ホームページ より
数字は大きくなるほど明るいレベルを示しますが、白髪にもしっかり色素が入るのは9レベルぐらいが限界です。
それ以上になると脱色作用と染色作用の関係から、白髪が染まらずに浮いて見えてしまいます。
さらに誰でも9レベルまでなら、しっかり染まるというわけでもありません。
普通のファッションカラーと一緒で、キューティクルの厚みやコルテックスの量で染まり具合が変わってきます。
同じ9レベルで染めても白髪が浮いて見えてしまったり、そこまで明るくならない場合もあります。
そういった場合には1段階レベルを暗くすることで、白髪をしっかりと染めることができるようになり、色持ちも良くなります。
それでも、白髪が染まりにくかったり色落ちが早く感じてしまう場合には、もう1段階レベルを暗くするなど、少しづつ使うカラー剤の明るさのレベルを調整する必要があります。
基本的には白髪への染色と染まりあがりの明るさは反比例するので、暗ければ暗いほど白髪はしっかり染まりますし、明るければ明るいほど白髪は浮いて見えてしまいます。
なるべく明るく、さらに白髪もしっかり染めたい場合には以下の「色落ちを防ぐ5つの方法」と併用することで実現できる可能性が高まります。
なるべく明るい髪色をキープしたい場合には、根本だけを正確に染めていくか、一度ハイレベルに脱色してから白髪染めをするという方法もあります。
その方法はまた別の記事で書かせて頂こうと思います。
3 カラー剤の量・放置時間・温度
カラー剤の量
市販されているカラー剤を見てみると、1剤が40gで2剤が40gほどの物が多く見受けられます。
ただ、毛量の多い人や髪の毛の太い人にとっては、少し足りないかもしれません。
美容室などで毛量の多い人をしっかり染めようとするとき、1剤60g+2剤60gでも足りない場合があります。しかも、根本(リタッチ)だけでもです。
2つ買えば問題ないのかもしれませんが、最近の市販のカラー剤も安くはないので、それなりのコストがかかってしまいます。
なぜカラー剤の量の話をするのかというと、この塗布量も色持ちに関係してしまうからです。
白髪がしっかりと隠れるぐらいカラー剤が覆いかぶさっていないと、染まりが薄くなってしまいます。
それだけ白髪は黒髪に比べて太く、染まりにくいのです。
美容室などで白髪を染めるときには、薄いペーパーなどで根本のほうを抑えます。
これは、白髪をカラー剤よりも上に立ち上がらせないためです。
上でも書いたように白髪はカラー剤に覆われた状態にないと染まりにくくなってしまうので、このペーパーやラップで押さえつけているのです。
このとき、いくらしっかりと押さえつけても、白髪染めのカラー剤が十分に塗布されていなければ、白髪を覆うことができません。
そういった意味では、泡状になっているカラー剤の方が包み込みやすいのですが、毛先までついてしまいダメージになってしまうというデメリットがあるので、ここではオススメできません。
(ダメージが大きくなってしまうと、色落ちもしやすくなってしまうため。)
できるだけ、クリーム状のカラー剤を使って、白髪の部分だけを染めていくことをオススメします。
そして、しっかりと根本のほうを中心にカラー剤を塗布したら、ラップをして、空気を抜くように軽くあたま押さえます。
できれば汚れてもよいタオルで覆うと、保温できるのでより染まりやすくなります。(しみやすい人はタオルはしない方が良いです。)
放置時間は長い方がイイ?
白髪染めの場合、ファッションカラー(オシャレ染め)よりも5~10分程長く時間をおく傾向にあります。
メーカーやカラー剤のシリーズ、コンセプトによっても異なりますが、だいたい20~25分ぐらいが目安になります。
最近では早染めを売りにしているカラー剤もありますが、自分で染める場合にはオススメできません。
染まるスピードを早くしているということは、アルカリ濃度を調整して酸化重合反応を促進しているか、色素の量を通常より多く含ませているかのどちらかです。
自分で染める場合には時間がかかりすぎて、見本よりも暗くなってしまうでしょう。
それに染めるスピードも手早くしなくてはならないので、あせって手についたり顔についたりいろいろな弊害が起こりそうです。
話は逸れましたが、とにかく、規定の放置時間はなるべく守った方が間違いありません。
しっかり、時計で確認しておかないと、テレビを見ながらとかスマホをいじりながらでは20分などアッという間に過ぎてしまいます。
多少、長めにおいても色素が深く入るので、持ちは良くなるのですが、ダメージが出るのと仕上がりが想定よりも暗くなります。
長い目で見たときにダメージがあると、結果、色落ちしやすくなってしまうでしょう。
ファッションカラーは時間を置けば明るくなりますが、白髪染めの場合は暗くなります。
厳密には、コーミングをして空気を含ませてから時間を置きすぎると一気に暗くなります。(酸化が促進されるため。)
色落ちしやすいという人は5分ぐらいなら長めに時間をおいても問題ありませんが、1時間もそのままおくのはやめましょう。
理想としてはカラー剤の塗布が済んだら、ラップをして時間をおいたあと、空気を含ませてプラスから5~10分おき、乳化してシャンプーします。
乳化とは、少量のぬるま湯を徐々に髪につけながらもみ洗いすることです。
乳化を行うことで、頭皮や顔周りについてしまった染料を落ちやすくすることができます。
さらにぬるま湯が酸化を促進して、髪への色素の定着を促進します。
このとき、シャンプー剤はつけません。
温度(室温)は高い方がイイの?
温度は極端に低かったり高かったりしなければ問題ありませんが、故意にドライヤーなどで熱を加えるのはよくありません。
部屋が極端に寒い場合にはエアコンなどで温める必要がありますが、高い熱を直接あててしまうとムラになるし、髪も傷みます。
地肌にも強い刺激になってしまい、場合によっては炎症を引き起こしてしまいます。
むかしは美容室でも、促進機などの熱を加える機械を使用することもありましたが、いまではマニュキュアやトリートメント以外にはあまり使用しなくなりました。
なぜなら、ダメージも促進されてしまうからです。
色落ちしないようにしっかり染める場合には、汚れてもいいタオルを1枚ほど頭にまくと体温が保温されて、染めるのに十分な温度をキープできます。
温度管理はこれで十分です。
体温ぐらいの温度が、ラップなどで保たれていれば十分に染まります。
4 シャンプーやトリートメントはどうしたらいいの?
色落ちしやすい場合には、なるべくカラーリング用のシャンプーとトリートメントをセットで使用してください。
これによって、多くの場合、色落ちの問題は解決します。
洗浄力もカラー剤の色素が落ちにくい強さに調整してありますし、カラーリング後アルカリ性に傾いたpHを弱酸性に戻す働きもあります。
カラーリング用のシャンプー剤にはアルカリ除去の効果があるものも多いので、ダメージの軽減も期待できますし、色持ちも良くなります。
弱酸性に戻すことによって、キューティクルを収斂させてしっかり閉じることができるので、内部からの色素の流出も防ぐことができます。
トリートメントのなかには、内部にトリートメントの成分を入れるためにpHを微アルカリに調整してあるものもあります。
これでは、せっかく引き締めたキューティクルをまた開かせてしまい、色素を流出させてしまいます。
できれば、カラーリング用のシャンプーとセットのトリートメントを使用した方が間違いありません。
それでも色落ちが気になる場合には、シャンプーとトリートメントを一切使わず、乳化後にぬるま湯でよく流してそのまま仕上げるという方法もあります。
しかし、肌が弱い場合にはあまりオススメできません。
カラー剤が頭皮に残りやすくなるので、アレルギー反応を起こしてしまう場合もあるからです。
どうしても色持ちを最優先させたい場合のみに試してみてください。
その後のヘアケア
いよいよシャンプーも終わって、しっかり染まったと思っても気を抜いてはいけません。
やさしくタオルドライをしたら、なるべくすぐにドライヤーで乾かします。
乾かし過ぎも良くありませんが、水分が残っていると、そこから服や帽子、枕や布団などに色移りして結果、色落ちしてしまいます。
カラーリング用のアウトバストリートメント(流さないトリートメント)をつけることも良い事ですが、あまりつけすぎると乾きにくくなってしまって逆効果なので、適量を意識しましょう。
できることなら、初日のシャンプーとドライが終わったら72時間以上は濡らさないようにすると飛躍的に色持ちが良くなります。
72時間(3日間)置く場合は、とくに白髪染め後のシャンプーをカラーリング専用のシャンプーとトリートメントで入念に洗っておかないと、かゆみや炎症が起こりやすくなるので注意が必要です。
一度72時間置いたら、そのあとは毎日シャンプーしても大丈夫ですが、特に色落ちしやすい場合には2日に1回のシャンプーにするなどして調整するとより色落ちしにくくなります。
シャンプーとトリートメント後は、毎回ドライヤーでしっかり乾かすということもとても大切です。
まとめ
もし、5つの方法のうち1つ行うだけで色持ちが改善されれば、それはそれで良いと思います。
今現在、どれができていなかった確認して、一つづつ実行していっても良いかもしれません。
白髪染めの薬剤の明るさのレベルを一つ暗くすることに抵抗がある場合は、それ以外の方法を行うことで色持ちが改善されることもあります。
今まで髪を乾かさないでいた場合には、それを気を付けるだけで色持ちが良くなる場合もあります。
頭皮の保護や髪へのダメージにも気を付けながら、色持ちも意識することは大変かもしれませんが、無理のない範囲で少しづつ改善していけることを願っています。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。