今までは普通のファッションカラーをしていたお客様から、『最近、白髪が気になりだしてきてしまって、そろそろ白髪染めにした方がイイのかしら・・・。』という声を耳にする機会が増えてきました。
初めて、自分の頭に白髪を見つけた時のショックは大きいモノです。
いつかは必ず付き合っていかなくてはいけない悩みなのですが、できるだけ染め始めは遅らせたいものです。
白髪の生え始めの多くは、生え際や分け目が多いように感じます。
年齢的には個人差が大きいので一概には言えないのですが、男性も女性も30代半ば頃に生え始めることが多いようです。
遺伝による影響が大きいようですが、生活習慣による影響も無視できないようです。
ここでは、あえて白髪の予防や原因については深くは取り上げません。
あくまで、生え始めにおけるカラーリングの考え方を提案していきたいと思います。
一か所に集中して生え始めたときの染め方
今まで、普通にファッションカラーをしていて、ある日気が付いたら一か所にまとまって白髪が見つかったときに、急に髪の毛全体を白髪染めに変えてしまうのは、どうしても抵抗があります。
このようなときは、いつも通りファッションカラーをしながら、その部分だけに明るめの白髪染めの薬剤を塗り、ラップやアルミホイルで包み、大きめのローライトのような感じで染め上げることができます。
全体の色を変える必要が無いので、違和感を最小限に抑えることができます。
ファッションカラーと白髪染めの薬剤の明るさのレベルを、なるべく同じにすると馴染みやすくなります。
それでも、気になるときは全体的にローライトを入れて、デザインとして見せれば問題ないと思います。
[st-cmemo fontawesome=”fa-file-text-o” iconcolor=”#919191″ bgcolor=”#fafafa” color=”#000000″ iconsize=”100″]ハイライト、ローライト ・・・ 以前、メッシュと呼ばれていたこともあり、ハイライトは主に髪色全体よりも明るい色、ローライトは暗い色を部分的に分け取って染める事。髪に立体感を出したり、動きを出す目的として施されることが多い。[/st-cmemo]
今までカラーリングをしていなかったけど、白髪が気になるので染めたい人は?
正直、今までカラーリングをしていなかった人が白髪を染める目的で初めてカラーリングをするにはかなりの抵抗があるでしょう。
今まで、必要としなかったことを時間とお金を掛けて、しかも、定期的にずっとやっていかなければいけないとなると、かなりの覚悟がいると思います。
私たち美容師が一番先に考えることは、いかに負担を少なく、なるべく髪の毛のコンディションを変えずに白髪を目立たなくするかということです。
そして、白髪が多い少ないに関わらず、本人が気になってしまっている以上は染めて差し上げる方向でカウンセリングをしていきます。
今まで、カラーリングをしてこなかった理由として考えられることは、ダメージが気になるからということと、そもそも明るい髪色にしたくないということが考えられます。
ダメージをできるだけ出さずに染める方法はいくつかあります。
ヘアマニュキュアやヘナカラー、香草カラーやトリートメントカラーなどです。
それらは髪を明るくできないので、地毛の黒さのまま白髪を染めることになります。
その代わり、ダメージはほとんどありません。
逆に、どうせ染めるなら明るくしたいという場合はどうしてもダメージが出てしまいます。
髪の色を明るくするには、基本的にはアルカリカラーを使うことになるので、ファッションカラー同様、髪は損傷します。
更には、頭皮に負担を掛けてしまうことにもつながります。
髪を明るくする目的ではなく、白髪を染めたいだけなら、アルカリカラーはお勧めできません。
[st-cmemo fontawesome=”fa-file-text-o” iconcolor=”#919191″ bgcolor=”#fafafa” color=”#000000″ iconsize=”100″]アルカリカラー・・・一般的に普及しているカラー剤と呼ばれるモノ。1剤と2剤に分かれていて、混ぜ合わせることで髪を様々な明るさや色味に染めることができる。ファッションカラーも白髪染めもアルカリカラーに含まれる。[/st-cmemo]
確かに、ドラッグストアなどには白髪を染めるためのアルカリカラーがたくさん置いてあるのですが、明るく染めたいわけでなければ、アルカリカラーを使う必要はありません。
いくら、トリートメント成分配合と書いてあっても、髪を明るくする原理は昔から変わっていないので、ダメージは確実に出ます。
ファッションカラーからグレイカラー(白髪染め)へ
ひと昔前までは白髪染めと言うと、暗くなってしまうイメージが強かったと思います。
10年ほど前は明るい髪色が流行っていたので、余計にそう感じたのかもしれません。
最近はファッションカラーでも、ダークトーンを選択する人が多くなっているので、実は見た目的には白髪染めとさほど明るさは変わりません。
メーカーにもよりますが、ファッションカラーは14レベル、グレイカラーは9レベルぐらいまで明るく染めることが可能です。
実は求める明るさが8 ~ 9レベルなら、白髪染めでも充分対応できるのです。
今まで、ファッションカラーで10レベル以上に染めていた場合は違和感があるかもしれませんが、1レベル暗くなる代わりに白髪をしっかり染められると考えると悪い選択ではないと思います。
結論、白髪染めに切り替える時期は人それぞれ?
上の図を見てもらうと、白髪の割合によってイメージがかなり変わります。
髪の毛全体の5%が白髪になっただけでも、それが顔周りの生え際や、前の方の分け目にあれば、どうしても自分の目に入ってきてしまうので気になります。
ただ、これぐらいの割合だとまだファッションカラーでも、なじませながら染めていけます。
しかし、ファッションカラーで染めるとき、8レベル以上の明るさを求める場合は、白髪にはほとんど色は入りません。(色味にもよりますが・・・。)
黒い髪の部分を明るくすることで、白髪との明るさの差が少なくなって目立ちにくくするだけです。
このように、白髪以外の黒髪を明るくすることでなじませる場合は、実は明るくすればするほど、白髪は目立たなくなります。
20% ~ 30% になってくると、ほとんどの場合、白髪染めを提案させていただいています。
前で述べたように、ファッションカラーでも14レベルまで黒髪の部分を明るくすれば、なじませられないことはないのですが、1ヵ月 ~ 2ヶ月おきに14レベルのカラー剤を使って染めていくのは、頭皮と髪に大きなダメージを与えてしまうことになるのでおすすめできません。
どうしても、明るさをキープしたい時の最終手段だと思ってください。
つまり、ファッションカラーからグレイカラー(白髪染め)に切り替えるタイミングは、上の写真の20% ~ 30% のあたりになってきた頃と言えます。
まとめ
まずは、白髪を防ぐには生活習慣を見直していくことが大切です。
しかし、白髪が2~3本生えてきたからといって、急に白髪染めに切り替える必要はありません。
白髪染めになると、どうしても地肌から染めることになるので(地肌まで薬剤を溜めておかないと白髪が染まりにくいため)頭皮に余計にストレスがかかります。
白髪の原因はまだ明らかではありませんが、熱や紫外線、シャンプーに含まれる石油由来の原料や整髪料も頭皮のストレスになることは確かです。
もちろん、精神的なストレスも大きな要因になっているでしょう。
なるべく、頭皮へのストレスを減らすという意味では、白髪染めに切り替えるタイミングは遅らせた方が良いと言えるでしょう。