デジタルパーマ は20年ほど前に誕生しました。
現在のパーマの原点となっているのは、1936年、今から約100年前に開発されたチオグリコール酸の化学反応を利用したものです。
クレオパトラも木の枝とドローンを使ってパーマのようなものをしていたとも言われているので、人間が髪にカールをつけようと思い始めたのは、5000年も昔のことです。
最近では色々な呼び方のパーマが存在していますが、基本的な原理、つまり1剤と2剤を使ってかけるパーマは、100年ほど前から変わっていないのです。
当然、薬液やかけ方に改良が施され、ダメージも少なく長持ちするパーマが開発されていますが、一剤で髪の毛の結合を切って2剤で固定すると言う方法は今でも同じです。
現在代表的なパーマは大きく分けて4つあります。
- コールドパーマ
- クリープパーマ
- デジタルパーマ
- エアウェーブ
コールドパーマ
コールドパーマという名前は聞き慣れてないかもしれませんが、デジタルパーマやエアウェーブが開発される前に一般的にかけられていたパーマは全てコールドパーマです。
コールドというのはその名の通り冷たいという意味で、1剤と2剤だけの薬剤でかける熱を加えないパーマのことです。
実は約100年前にチオグリコール酸の化学反応を利用してかけるパーマができるまでは、 アルカリ剤と電熱器を使って熱を加えるパーマが主流でした。
アルカリ剤で髪の毛の分子結合を切ってから熱酸化で固定させる、と言うとても痛みそうなパーマのかけ方だったのです。
現在あるパーマの中では最もベーシックなもので、施術時間も比較的短く済みます。
ふんわりとしたパーマというよりは、ウェーブがしっかりとでるような細かいパーマに向いています。
現在のヘアデザインにはあまりニーズはありませんが、とにかく手軽にパーマをかけてみたいという人や、 髪にほとんどダメージがなく初めてパーマをかける人などにはおすすめされることがあります。
他のパーマに比べて料金的には安価ですし、もし他のパーマも試してみたいと思った時にはかけ直しやすいというメリットもあります。
クリープパーマ
クリープパーマのクリープとは直訳するとゆっくり移動させるという意味で 、1剤を付けてからいきなり2剤をつけるのではなくて、お湯などで1剤をしっかり水洗してから、乾熱や湿熱をあてながら時間を置き、2剤をつけて固定するというものです。
1剤をしっかり流すと聞くと、パーマのかかりが弱くなりそうですが、むしろ逆で同じロットの大きさ、同じ強さの薬剤、同じ放置時間でかけた場合は、コールドパーマより強くかかります。
髪にダメージがある場合はおすすめです。
大きめロッド、弱めの薬剤を使っても、ある程度しっかりとカールを出すことができるので、ダメージを最小限に抑えながらパーマをかけることができます。
かかる時間はコールドパーマよりも長くなってしまいますが、デジタルパーやエアウェーブに比べると短い時間でかけられて、 費用も抑えられるので特別な理由がない限りはこの方法が現代のヘアスタイルに一番合っているのかもしれません。
デジタルパーマ
タイトルにもあったデジタルパーマですが、上の二つのパーマと違うところは、 髪を巻いていくロッド自体に熱をあてるということです。
一昔前は縮毛矯正に使われるような強い薬を使用することが多かったのですが、 最近ではなるべく弱い薬で、ロッドに入れる熱も低温で行うことが多くなっています。
デジタルパーマは、多少髪に癖があってもそのクセを弱めながらパーマをかけていけるので比較的、収まりの良いスタイルに仕上げられるのです。
髪にハリがあり、今までコールドパーマがかかりづらかった人も、熱を加えることで形状記憶できるのでしっかりとカールを表現することが可能になります。
ただし、あまり強くかけすぎてしまうと、髪の質感が硬くなり、逆にパサついてボリュームが出てしまうので注意が必要です。
求めるヘアスタイルにもよりますが、柔らかい質感を残したい場合にはあまり強くかけない方が良いでしょう。
さらに、あまり根本の方からカールを必要とするヘアスタイルには向きません。
単純に、ロッドを根本まで巻き込んでしまうと頭皮をやけどしてしまう恐れがあるからです。
トップにボリューム感を出したい場合には、カットで調整する必要があります。
短い前髪などにかけるのも避けましょう。(おでこをやけどします。)
デジタルパーマは一般的にダメージが出やすいと言われていますが、薬剤を弱く設定することもできますし、あてる熱の温度も70℃ ~ 90℃で調整できます。
確かに、熱をあてる分だけ傷むと言われてしまいますが、コールドパーマやクリープパーマでもしっかりかけようとするあまり、無理に薬剤を強くしたり、放置時間を通常の規定よりも長くおいてしまう方がよほど傷みます。
エアウェーブ
理論的には、クリープパーマの考え方をもとにしているのですが、お湯で水洗した後の放置時間中にエアウェーブのマシンを使って、55℃前後の乾熱で乾かしていきます。
クリープパーマよりもしっかりと乾くイメージです。
仕上がりとしては、ドライヤーで乾かした後もカールが伸びにくいので、ゆるくフワッとかけた場合でも、その質感がそのまま出やすいです。
デメリットとしては、マシンのセッティングに少し時間が取られることと、中間水洗とマシンに入っている時間がプラスされるので、コールドパーマに比べるとだいぶ時間がかかります。そして、価格が他のパーマの中では一番高額な種類になります。
ちなみに、エアウェーブのマシンに入っている間は風の音で、周りの音がほとんど聞こえなくなります。(掃除機みたいな音。かなり、大きいです。)
まとめ
主に、最近のパーマの種類としてはこの4種類が代表的なものになります。
どのパーマが良いかは、髪質や求めているヘアスタイルによるので、しっかりとカウンセリングをしてもらい、選択するのが良いでしょう。
髪が傷みやすい人、パーマがかかりやすい人もいれば、その逆の場合もあります。
髪の色や形状を変える以上、ダメージはついてまわります。
どのパーマもまったくダメージが出ないということはありません。
しかし、適切な方法でパーマをかけることでそのダメージも最小限にすることが可能なのです。