クセ毛、多毛、広がる髪にもキレイにパーマをかける方法

クセが強い場合は、デジタルパーマがオススメです。欲を言えば、ストレートパーマ(縮毛矯正)と組み合わせてかける方法が最適です。デジスト、ストデジ、デジレート、etc… 呼び方は様々ですが、どれもデジタルパーマとストレートパーマ(縮毛矯正)を同時にかけていくものに変わりはありません。

その中でも薬剤の強さによって、仕上がりは大きく違ってきます。もちろん薬剤の選定は、ダメージレベルや髪質(とくに太さやクセの強さ)によって決めていきますが、求める仕上がりの質感にも関係してくるので入念なカウンセリングをオススメします。

デジタルパーマとストレートの組み合わせとはどんなものなのか?もちろん、実際に自分がかけてみるのが一番いいとは思いますが、少しでも予備知識を得ることでイメージの手助けになれば幸いです。

 

パーマをかけたいのになぜストレートパーマをかけなければならないの?

昔からパーマをかけるにはあまり向いていない髪質というものがあります。それは、髪が太い、多い、クセが強い場合です。

そもそもパーマはウェーブが出ることで、同時にボリュームを出す効果があります。こういった髪質に今までのコールドパーマをかけてしまうと、余計にボリュームが出てしまいますね。

どんなに上手に今までのやり方でコールドパーマをかけても、髪を細くすることも、少なくすることも、クセをまっすぐにすることもできません。ウェーブによって余計に広がってしまいまとまらない仕上がりになってしまいます。

確かにカットで髪の量を少なくすることの出来ます。しかし、それでは仕上がりの質感が悪くなってしまうのです。もちろん毛量の調整は必要ですが、髪を削げば削ぐほど仕上がりの質感が悪くなってしまうし、場合によっては余計に広がってしまうこともあります。

つまり広がりやすい髪質の場合、どんなにカットで工夫しても限界があるのです。だから、カット以外でもボリュームダウンする必要があります。それが根本のほうにかけるストレートパーマ(縮毛矯正)なのです。

クセが強くて広がりが激しい場合には、根元から薬剤を塗布してストレートアイロンで熱処理までします。この時点で、根本のほうには縮毛矯正がかかります。

逆にそこまで広がりが出ない場合にはストレートアイロンによる熱処理はせずに、そのまま2液をつけて完了します。

こうすることで、ボリュームを抑えながらクセも抑えて、扱いやすいパーマスタイルを作ることができるのです。

 

毛先の方にはデジタルパーマをかける

毛先にはデジタルパーマをかけます。普通のパーマではダメです。

基本的にはデジタルパーマの方がまとまりやすくなります。特に根本のほうにはストレートパーマ(縮毛矯正)をかけるので、相性から言っても同様に熱処理をするデジタルパーマの方が都合が良いのです。

余談になりますが、昔、デジタルパーマがまだなかった頃、縮毛矯正をかけたお客様が今度はパーマをかけたいということがよくありました。

縮毛矯正をかけた髪には、そのころのコールドパーマでは対応できません。基本的にはお断りしていましたが、どうしてもパーマをかけたいというお客様にはリスクを説明したうえで、コールドパーマをかけさせていただくこともありました。もちろんキレイな仕上がりになることはありませんでしたが、縮毛矯正の特徴的なピンと張ったような毛先ではなくなったということだけでも満足してくださいました。

いくらデジタルパーマがあるからと言っても、むやみに縮毛矯正をかけた髪にパーマをかけることはオススメできません。しかしコールドパーマをかけるよりは、キレイなウェーブを出せる可能性があります。

デジタルパーマとストレートパーマには切っても切れない関係があるのです。

 

仕上がりは?

強いクセを落ち着かせるためにちょっと強めの薬剤を使い、熱処理までするのでダメージがないと言ったらウソになってしまいます。

でも最近ではカラーリングなどをしていてはじめからダメージがある髪には、化粧品登録でシステアミン系のやさしい薬剤が使用できます。この薬剤を使うことで、デジタルパーマとストレートパーマの合わせ技が、最小限度の負担でかけることができるようになりました。

そして、やさしい薬剤を使用することで仕上がりの自然な柔らかさも再現することが可能になったのです。

今までは、縮毛矯正やデジタルパーマはどちらかというと仕上がりに硬いイメージがありましたが、薬剤を工夫することで仕上がりまで良くすることができたのです。

もちろん、ダメージが大きすぎる場合には前処理のケアや、かけないという判断もありえます。でも、以前よりは格段にできることが広がっています。美容の技術は、よりお客様の満足度を高めるために進歩しているのです。

毎日、お客様一人一人に本気で向き合い、その反応を直接感じ取っている美容師だからこそできる進歩だと思います。