髪 の ダメージ とトリートメントの真実
一度 髪 にあたえた ダメージ はもとには戻せないのでしょうか?
髪は爪とおなじで死滅細胞というものです。
ハサミで切っても痛くないように、血液も神経も通っていません。
いくら栄養分を入れてあげても元通りになることはありません。
美容室のシステムトリートメントとは言えども不可能です。
ではなぜ、トリートメントをするとハリやツヤが出るのでしょうか?
髪の空洞化
毛髪ダメージにはさまざまな原因があります。
そのひとつに髪の空洞化というものがあり、スポンジのような状態のことを指します。
髪の空洞化が起こるとシャンプーのときに水分が入りこみ、さらにその空洞を大きくして、
(ダメージ)→ (空洞化)→ (水分吸収)→ (空洞の拡大)→ (ダメージ)と、悪循環を引き起こしてしまいます。
システムトリートメントなどは、この空洞化した部分に化学物質を吸着させて、さらにコーティングをします。
しばらくの間は、手触りも良くなりハリやツヤも出るので髪の状態がよくなった気がしてしまいますが、元の髪はダメージを受けたまま空洞化しているので、コーティングがはがれて吸着していた化学物質が抜けでてしまうと、またダメージのある髪にもどってしまうのです。
自宅でつかうトリートメントにも同じことが言えます。
システムトリートメントは、3~5種類の薬剤を順番につけていきます。
基本的な方法はどのメーカーのものも一緒です。
自宅でつかうトリートメントは1種類の場合がほとんどです。
効果や持続性には大きな差がありますが、空洞化した部分になんらかの化学物質を吸着させてコーティングするということに違いはありません。
普通に考えれば持続性の長い方が、よりよいトリートメントと思われがちです。
しかし、髪の状態によっては一概にそうとも言えないのです。
コーティングのメリット・デメリット
髪をキレイに保つためにトリートメントは必要なものです。
しかし、トリートメントの効果の一つであるコーティング作用は、髪に悪い影響をあたえてしまうこともあるのです。
メリット
- 髪にツヤやハリをあたえてくれる。
- PH(ペーハー)の値を、弱酸性に戻してくれるものもある。
- ダメージ部分の指通りをよくしてくれるので、髪に余計な張力(テンション)をかけずにすむ。
- 髪がまとまりやすくなるので、広がりすぎるボリュームを抑えてくれる。
- 損傷してしまったキューティクルのかわりとなり、外側からのダメージを防いでくれる。
デメリット
- コーティング剤がはがれ落ちるときに髪のキューティクルを一緒にはがしてしまうことがある。
- カラーリングやパーマの後に使用すると、正常に空気による酸化が進まず髪の内部でダメージが進行してしまう場合がある。
- 根本の方からつけてしまうと、髪にベタ付きや重さを出してしまい、ふんわり感がなくなってしまうことがある。
強すぎるコーティング作用は良いことばかりでありません。
場合によっては、ダメージの原因になってしまうこともあるようです。
しかし、トリートメントをしないというワケにはいきません。
では、どうしたら良いのでしょうか?
理想のトリートメントとは?
もし、シャンプーのあとにトリートメントをしなかったら、髪や頭皮はどうなってしまうでしょう。
ダメージのある髪の毛は絡まってしまい、クシも通りません。
無理にほどこうとすれば、強いテンションがかかりキューティクルを傷付けたり、頭皮を痛めたりしてしまいます。
そのままドライヤーで乾かそうものなら、ごわごわに絡まったまま広がってしまうでしょう。
少しでもダメージがある場合には、トリートメントは必要なのです。
では、どのようなトリートメントが理想的なのでしょうか?
ひと言でいうなら、シャンプーで落とせるトリートメントです。
毎日のシャンプーのごとに、完全に洗い流せることが重要です。
そうすることによって、コーティングが重なりすぎて、髪のキューティクルを一緒にはがしてしまうこともありません。
カラーリングやパーマのあとも髪の毛が、水や空気中の酸素と反応して、色や形が定着する過程をジャマすることもありません。
それでいて髪が絡まることもありませんし、昼間のあいだは外からのダメージ(紫外線など)からも守ってくれます。
さらに、そのあいだはツヤをキープしてくれます。
またその夜シャンプーすることで、一日の汚れと一緒に、前日のトリートメントもキレイに洗い流すことができるのです。
トリートメントのコーティング力が強すぎてしまうと、毎日シャンプーしてもなかなかキレイに洗い流すことができません。
その結果、髪が重くなってしまったり、コーティングが重なりすぎてかたい質感になってし舞うこともあります。
トリートメントは髪にとっては、メイクと同じなのです。
一時的に手触りを良くして、見た目もキレイにしてくれますが、ずっと落としきれずに残ってしまうと悪い影響を及ぼすことになります。
まとめ
トリートメントは大切なものです。
決してトリートメントをしない方が良いということではありません。
ただ、どんなに持続性が長く、手触りが改善されるトリートメントであっても一度ダメージを受けた髪は元には戻りません。
それどころか、時間が経つほどにダメージは進行していきます。
カラーリングやパーマをして髪になんらかの変化をあたえるということは、必ずダメージが付いてくるということを理解し、その後のヘアケアを正しく行うことがたいせつです。