ひと言に髪質改善トリートメントと言っても、さまざまな種類があります。
ただ単に、ダメージを疑似的に修復する物から、クセまでのばしてサラサラのキレイな質感にしてくれるものまであります。
いままで美容室でするトリートメントは、疑似的にダメージを修復するものがほとんどでした。(システムトリートメントなど・・・。)
クセをのばすためには、縮毛矯正が定番だったのです。
ところが、縮毛矯正は大きなダメージを出してしまいます。
これは、完全にクセを取り除くことが目的であり、もともと強いクセ毛のひとにも対応できるように開発が進んできたからです。
しかし、近年の流行ではそこまで完全なストレートが求められているわけではありません。
むしろ、毛先を縮毛矯正で完全に真っ直ぐにするスタイルは、好まれなくなってしまったのです。
根本は真っ直ぐにしても、毛先はワンカールしているぐらいのヘアスタイルの方が、求められるようになってきました。
たしかに、デジタルパーマと縮毛矯正を組み合わせれば、根本はストレートで毛先はパーマということも可能です。
でも、これではダメージが蓄積してしまい、最終的には毛先のパーマがキレイにかからなくなってしまいます。(計画的にかかり具合を調整して、カットをしていけば可能です。)
ただし、カールアイロンやコテ、ホットカーラーで巻いたような質感はデジタルパーマをかけた方がキレイにかかります。
ここで、考えたいことはダメージも最小限に抑えたいということです。
現代のヘアスタイルのニーズとしては、そこまで真っ直ぐなストレートは求められていません。
縮毛矯正を何回もかけているとダメージも気になりますが、デザイン的にも毛先の真っ直ぐすぎる質感が気になってきます。
でも、クセがある人は、しかたなく縮毛矯正をかけるしかありませんでした。
新生毛で強いクセがある場合には、一回でしっかりと縮毛矯正をかけてしまった方が良いと思います。
ただ、普段からカラーリング(白髪染め)をしていて、ダメージもある場合には、システアミン(化粧品登録の還元剤)や酸性域の薬剤がオススメです。
昔から、これらの薬剤は存在していました。
考え方もありました。
ただ、より良い薬剤が開発されたということです。
もちろんクセの強さや、ダメージの度合いによって薬剤を決めていくことが一番大切なことです。
ここを間違うと、必要以上のダメージを出してしまったり、逆にクセが残りすぎてしまったりします。
ハイダメージでアルカリ度が高いとかけられない状態の髪には、酸性域でもs-s結合を切ることができる還元剤もあります。
これらの酸性域でも作用するグリオキシル酸などの還元剤を使ったものを、酸熱トリートメントや髪質改善トリートメントとして、提供している美容室も増えてきたようです。
グリオキシル酸(グリオキシルさん、glyoxylic acid)は、1分子の中にアルデヒド基とカルボキシル基を持つカルボン酸の一種である。一部の植物や菌類が持ち、脂質からの糖新生を可能にするグリオキシル酸回路では、アセチルCoAと結合してリンゴ酸を作る。また、無電解めっきの還元剤としても使用される。
グリオキシル酸はヒトではエチレングリコールからシュウ酸に代謝される際の中間体で、体内で酸化を受けると有害なシュウ酸が生成されることになる[1][2]。
ピリドキシン(ビタミンB6)は、グリオキシル酸を有害なシュウ酸するよりはむしろグリシントランスアミナーゼによりグリシンへの転換を促進する作用を有する[3]。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
つまり、最近の髪質改善とうたうトリートメントの特徴としては、疑似補修とクセを弱くしてストレート感を出すものが多いようです。
誤解を承知で簡単に言うと、ダメージを修復しながらかける縮毛矯正といったところです。
健康毛のときは気にならなかったクセも、ダメージが出ることで目立つものもあります。
ストレート毛でも、ダメージが大きくなってくると、うねりではなくともボリュームが出て、広がってしまう場合もあります。
こう言った、おもにダメージが原因で出てしまうクセや広がりに髪質改善トリートメントは適しています。
髪質改善トリートメントのはっきりとした定義はありませんが、いろんなサロンでの仕上がりの写真を見るとサラサラのストレートヘアがほとんどです。
できるだけクセをのばしながら、疑似的にであれ補修し、髪の表面をコーティングしたものが髪質改善トリートメントの最低条件と言えるでしょう。