洗浄力の強いシャンプーで洗ってからトリートメントをすると、とても馴染みやすくなります。
このとき、トリートメントの種類は問いません。(できれば弱酸性)
むしろ、コンディショナーでも問題ありません。(ほとんど弱酸性)
大事なのは、シャンプーです。
シャンプーはプレシャンプー用の洗浄力が強いものを
よく「どんなシャンプーがおすすめですか?」と聞かれることがありますが、正直、市販のものはお勧めできません。
というよりも、自分自身も市販のシャンプーとトリートメントを全て使って試したことがないので、「ここのメーカーの~ていう名前のシャンプーがオススメですよ!」とは言い切れないのです。
正直、ほとんど美容室専売品のシャンプーやトリートメントしか使ったことがないので。
ただ誤解してほしくないのは、美容室専売のシャンプーやトリートメントは値段が高いからいいものだというわけではないということです。
美容室専売品のシャンプーやトリートメントにも価格の高いものから安いものまで色々と存在します。
確かに美容師の中には利益率の大きいものを勧めたり、価格の高いものの方が歩合が大きいのでそちらをすすめたりする人もいます。
しかし、 美容師の立場からしたら基本的にはお客様の髪に一番いいシャンプーをお勧めしたいと思うのが本当のところです。
本当にそのお客様に必要だと思うシャンプーは、値段が高かろうが安かろうがきちんと説明して納得していただけるならば使ってもらいたいというのが本音です。
お客様の髪の状態が良くなるのであれば、もちろん常識的な価格の範囲ではありますが、高かろうが安かろうがいちおうお勧めはします。
当たり前のことかもしれませんが、頭皮や髪にトラブルを抱えていなければ、シャンプーやトリートメントで悩む人はいないでしょう。
例えば、中学生や高校生など髪に特別なダメージがあったり、頭皮に痒みがあったりしなければ、シャンプーやトリートメントに悩むことはありません。
カラーリングやパーマを自由にかけられる環境になって、初めて髪にダメージというものが出て、どんなシャンプーやトリートメントが良いのかが気なってくるのです。
もちろんそれ以外の要素として『香り』というものが大きく影響することも否定できません。
どんなに髪がサラサラでツヤツヤになるシャンプーやトリートメントでも、気に入らない香りを一日中見にまとっているのは苦痛です。
つまりシャンプーやトリートメントというのは、人それぞれニーズが違うので一概にこのシャンプーがいいですよとは言えないのです。
汚れを取る力が強いシャンプーは、たくさん汗をかいたり頭皮が脂っぽくなってしまう人にはとても良いシャンプーになりますが、あまり汗をかいたりせず頭皮の乾燥しやすい人にとっては洗浄力が強すぎてしまいます。
逆に洗浄力を抑えて保湿力をくわえたシャンプーは、先に述べた乾燥しやすい人やハイダメージのある人にはうってつけです。
大体シャンプーとトリートメントはセットで販売されているので、自分の頭皮や髪の状態に合わせてセットで使用するのが一番いいでしょう。
コーティングを洗い落とす
一番最初に書いた、洗浄力の強いシャンプーで髪を洗ってからトリートメントをすると、トリートメントのなじみがいいのです。
トリートメント(コーティング剤や油分)の付きすぎでベタついてしまった髪や頭皮。
その油分が、酸化して硬くなってしまった上に重ねてついているゴワゴワ感。
現在頭皮や髪の状態に悩んでいる場合や、なかなかトリートメントの効きが悪いという方には有効な手段となります。
最近は、ノンシリコンやボタニカルといった、洗浄力やコーティング作用の弱いシャンプーが多くなってきています。
そのこと自体は悪いことではありません。
でも洗浄力が弱いせいで、自分の油分やコーティング剤がしっかり洗い落とせず、悪影響を与えていることもあるのです。
『素髪』の状態にする
まず考えてみたいのは、洗浄力が強いシャンプーというのはどういったシャンプーでしょうか?
私たち美容師は主にカラーリングやパーマ、縮毛矯正をかける場合に髪の毛をリセットしたいと考えます。
プレシャンプーをと言って、髪の毛の余分なコーティングを洗い落とします。
ホームケア用のトリートメント剤が付いていない方が、ムラなく施術できるからです。
正直、お客様が自分で使っているシャンプーやトリートメント、流さないトリートメントやスタイリング剤まではなかなか把握できません。
ですのでそういったものをきれいに洗い流すだけの洗浄力を持ったシャンプー剤で髪の毛を『素髪』の状態に戻します。
化粧で言えばすっぴんの状態にします。
その時に使うシャンプーは基本的に余計な潤滑剤妻にシリコンや鉱物油などあまり入っていないもの。
それでいて余分なコーティングを洗い落とせるシャンプーを使用します。
美容室ではプレシャンプー用のシャンプーになります。
この時にトリートメントをあまり使用しません。(ダメージで絡み過ぎている場合はコーティング作用の少ないコンディショナーやトリートメントを使いますが・・・)
薬剤などの浸透率が悪くなってしまうからです。
キューティクルも開く!?
シャンプーの洗浄力が強いということは、髪の毛はアルカリ性に傾きます。
このこと自体は、正直あまり良いことではありません。
キューティクルが開いてしまって、損傷しやすい状態になっています。(水に濡れている状態だけでも、髪の毛は膨潤してキューティクルが開きます。)
この状態のままタオルで強くゴシゴシ拭いたり、濡れたまま寝てしまったら、かなりのダメージを受けてしまいます。
でも、コーティング剤が取れて、キューティクルも開いている状態だからこそ、内部にしっかり浸透する高品質で新鮮なトリートメント成分をより入れ込むことができるのです。
ちなみに、このとき使うトリートメントやコンディショナーは、弱酸性のモノの方がキューティクルをしかっり閉じてくれる効果があります。
ここで大切なことは、アルカリ性で開いたキューティクルを弱酸性でしっかりと閉じることです。
さらにしっかりドライヤーで乾かして、完全にキューティクルを閉じてあげれば完璧です。
まとめ
最近のシャンプーは、ノンシリコンシャンプーやボタニカルシャンプーなどを代表する洗浄力の弱いシャンプーが主流になっています。
このこと自体は決して悪いわけではないのですが、トリートメントや流さないトリートメントなどをつけすぎてしまうと、簡単なシャンプーではコーティングを洗い流すことができずに重なってついて、重くなってしまいます。
常に髪の毛をサラサラでツヤがある状態を保つためには、シャンプー自体の回数を減らすか、シャンプーした時にしっかりと以前のコーティング成分を洗い流して、新しいトリートメント成分を入れ込む必要があるのです。